前編では「回数だけの記録では限界があり、あと何回できたかを表す指標『RIR』を導入した」という話をしました。
今回は、50歳のおじさんが実際のジムでRIRを記録してみた生データをお見せします。
1. 実際のジムでのワークアウトデータ(8月17日)
実際にジムで記録した各種目の重量・REP数・RIRの抜粋データです。
チェストプレスマシン
| SET | 重量 × 回数 | RIR |
|---|---|---|
| Set 1 | 40kg × 15回 | RIR 1 |
| Set 2 | 40kg × 10回 | RIR 1 |
ラットプルダウン (フロント)
| SET | 重量 × 回数 | RIR |
|---|---|---|
| Set 1 | 47kg × 15回 | RIR 1 |
| Set 2 | 47kg × 10回 | RIR 0 |
オーバヘッド・トライセプス・エクステンション
| SET | 重量 × 回数 | RIR |
|---|---|---|
| Set 1 | 13.75kg × 15回 | RIR 2 |
| Set 2 | 13.75kg × 14回 | RIR 0 |
マシンレッグプレス
| SET | 重量 × 回数 | RIR |
|---|---|---|
| Set 1 | 65kg × 10回 | RIR 3 |
| Set 2 | 65kg × 10回 | RIR 2 |
2. 「同じ重量なのに2セット目で回数が落ちる理由」が判明した
たとえばラットプルダウンのデータを見てみましょう。
1セット目:47kg × 15回 / RIR 1
2セット目:47kg × 10回 / RIR 0
回数だけ見ると「15回 → 10回」と大きく落ちていますが、RIRを見るとその理由が一目瞭然です。
1セット目の時点で「あと1回しか上がらない(RIR 1)」という限界近くまで追い込んでいたため、筋肉に疲労が蓄積し、2セット目は10回で完全限界(RIR 0)を迎えたということです。
「1セット目からかなり高い強度で効かせられていた」 という事実が、数字としてハッキリ分かるようになりました。
3. 逆に「実は余裕がある種目」も丸見えに
もう一つ面白かったのが、マシンレッグプレスのデータです。
1セット目:65kg × 10回 / RIR 3
2セット目:65kg × 10回 / RIR 2
同じ10回でも、RIR 3〜2ということは「あと2〜3回は余裕で上げられた」ということです。
今までの自分なら「よし、目標の10回上がったからこの重量で満足」となっていたところですが、RIRを見れば「この種目はもっと重量を上げられる余裕がある」という次の判断が即座にできます。
4. RIRを導入して一番変わったこと
RIRを使い始めて一番変わったのは、「何回できたか」という単一の数字だけでトレーニングを評価しなくなったことです。
たとえば、前回も今回も同じ「10回」しか上がらなかったとします。
・前回: 10回 / RIR 1(ヘトヘトで限界)
・今回: 10回 / RIR 3(かなり余裕を持ってクリア)
回数は同じ10回ですが、RIRを見れば確実に自分が強く・成長していることが分かります。
5. ただし「RIRの自己評価」という課題
ここまでRIRの良いところを書きましたが、RIRも万能ではありません。
最大の課題は、「RIRはどこまで行っても『自分主観の自己評価』に過ぎない」ということです。
「あと2回できた(RIR 2)」と思っていても、本当にあと2回だったのかは誰にも分かりません。実際にはあと4回いけたかもしれないし、実はあと1回だったかもしれません。
だから、RIRは「完璧な科学測定器」として使うのではなく、「その時の自分の感覚を数字として残し、過去の自分と比較するためのツール」として捉えるのが正しい付き合い方だと感じています。
6. だから、自作アプリ「FitRIR」を作った
RIRの凄さに気づいた俺は、ジムで毎回ノートに「40kg 15回 RIR1」とメモを取り始めました。
しかし、息が上がっているジムの現場で、前回のRIRをノートのページをめくって探し、汗ばんだ手でペンを持ってチマチマ書くのは面倒くさすぎました。
既存の筋トレアプリも探しましたが、ほとんどのアプリは「重量」と「回数」しか入力できず、RIRをシンプルに1タップで記録・比較できるアプリが存在しませんでした。
「ないなら、エンジニアだし自分で作っちゃえ」
こうして開発したのが、自作アプリ「FitRIR」です。
7. FitRIRでやっていること
FitRIRでは、前回の「重量」「回数」だけでなく「RIR」が画面上に自動で表示されます。
前回:40kg × 15回 / RIR 1
今回:セットボタンをポンと押して RIR 2 を選ぶだけ
これだけで、「前より余裕が出たな」「今日は無理せずこの重量にとどめよう」といった判断がジムの現場で1秒でできるようになりました。
重量・回数・RIRをセットで記録することで、単なる数字の羅列ではなく「トレーニングの文脈」が見えてくるようになったのです。
8. まとめ
RIRを使い始めてから、自分の筋トレに対する解像度が格段に上がりました。
「何kgで何回できたか」だけでなく、「どれくらい余裕を残して上げたのか」 を記録することで、50歳からでも無理なく安全に成長を実感できています。
もし「最近トレーニングの成長が止まった」「毎回どれくらい追い込めばいいか分からない」と悩んでいる方がいたら、ぜひRIR(予備レップ数)を意識してみてください!